作品名
「真昼の決闘」 ‘52年度作品
監督
フレッド・ジンネマン
出演
- ゲイリー・クーパー
- グレイス・ケリー
あらすじ
西部のハドリービルという町で日曜日の朝、結婚式が行われた。新郎は保安官のウィル(ゲイリー・クーパー)だ。結婚式を挙げたウィルは新妻エミー(グレイス・ケリー)と共に保安官を辞め、町を去ろうとしていた。
平和な一日が、一通の電報によって暗黒の一日へと変わってしまった。5年前に逮捕した無法者が釈放され、正午に着く電車で町へ戻ってくる。しかも彼の仲間3人も駅で彼の帰りを待っているという。
これは保安官ウィルへのお礼参り以外に考えられない。極悪人で死刑が確実だった彼は、何らかの取引をして釈放されたようだ。
市民たちは元保安官ウィルを快く送り出した。なぜならウィルが町を去ったのが分かれば、ウィルを追いかけて無法者たちも町を出るだろうと考えたからだ。また、無法者がいた方が私利私欲に便利な者も多数いた。
一旦は新妻と共に町を去ったウィルだが、生真面目なウィルはそれを良しとしなかった。エミーと共に町へ戻り、再び保安官バッチを付けた。
ウィルはエミーの説得を一切受け付けなかった。エミーは単身、汽車で町を去ることを決めた。ちょうどお昼に着く汽車に乗って。
今、時刻は11時。汽車が駅に着くまで1時間しかない、ウィルは無法者に対抗するため仲間を募ったが、誰も彼に協力してくれる人はいない。
炎天下の町中を、ウィルは協力してくれる人を探して歩き回った。気温とは正反対に人々の態度は冷たかった。
お勧めポイント
西部劇ですが、拳銃の打ち合いは二の次です。孤高の保安官が助けを求めて町を練り歩くのですが、色々なしがらみがあって、保安官に協力してくれる人が出てきません。どんなしがらみがあるのかは、物語で紹介されています。これはヒューマン作品です。
生真面目なウィルも、こんな町を見捨てて逃げ出さなかったことを後悔します。でも今更、逃げ出す訳にもいかず、必死に状況打破を考えます。
流れる主題歌「ハイ・ヌーン」はどこかで聞いたことがある方も多いと思います。これが物語の進行とシンクロして、物寂しい哀愁で心が一杯になります。Youtubeにもありますので、物語を見なくても音楽だけでも聴いてください。
この作品、主演はゲイリー・クーパーさん。多くの名作が残っています。「誰が為に鐘は鳴る」が大好きです。共演はヒッチコック監督作品に数多く出演され、この当時、イングリッド・バーグマンさんと並んだクールビューティーの美女グレイス・ケリーさんです。本作では自分の信念さえ曲げて、夫を支えようとする涙ぐましい女性を演じています。
最近、見直すまで知らなかったのですが、西部劇と言えば登場するリー・ヴァン・クリーフさんがちょい役で登場してました。「夕陽のガンマン」などが有名です。物語の一番最初に若かりし姿が登場して驚きました。
決闘が始まるだろう12時が迫るにつれ、心臓の高鳴りが聞こえるように思えました。さて結末はどうなるのでしょうか?泣けますよ。
ポイント
笑える度 ★
ファイト度 ☆☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★
スッキリ度 ☆☆☆☆
感動度 ★★★★


