配信

No.682 ラストレター

作品名

「ラストレター」 ‘19年度作品

監督

岩井 俊二

出演

  • 松 たか子、広瀬 すず、福山 雅治、森 七菜

あらすじ

 裕里(松たか子)の姉・未咲が突如亡くなった。葬式で未咲の娘・鮎美(広瀬すず)から、未咲に同窓会の案内が届いていたことを知らされた。
 
 裕里と未咲は2つ違いで地元の同じ高校に通った。裕里も未咲も学生時代の友人と縁遠かったが、未咲の死去を伝えるために、裕里が未咲の代りに参加することにした。
 
 同窓会に参加した裕里を、他の出席者は未咲と勘違いした。未咲の妹であることを伝える暇もないまま、同窓会の途中で裕里は逃げ出した。
 
 一人の男が裕里を追い掛けて来た。未咲の同級生の乙坂(福山雅治)だ。裕里を未咲と間違えて話し掛けてきたのだ。バスが来るまでの短い時間だったが、裕里は乙坂と連絡先を交換した。
 
 裕里は乙坂から貰った名刺に書かれた住所へ手紙を送った。でも自分の住所は書かなかった。
 
 乙坂は裕里を未咲と間違えたまま、裕里も未咲のふりをしたまま、一方的な文通が始まった。
 
 実は乙坂と裕里、未咲の姉妹は、学生時代に繋がりがある仲だった。
 卒業アルバムから未咲の住所を調べた乙坂は未咲へ手紙を送った。それを読んだ未咲の娘・鮎美と裕里の娘・颯香(森七菜)も未咲のふりをして乙坂へ返事を返した。

お勧めポイント

 『四月物語』が大好きな岩井俊二監督の作品です。
 
 「四月物語」もそうでしたが、学生の頃の淡い青春に胸がキューンと締め付けられるストーリーです。
 
 本作では一人の男と姉妹の関係を、過去と現在を行き来しながら展開されていきます。さらに姉妹のそれぞれの娘たちも本当の姉妹のように、物語は展開します。非常に複雑な人間模様です。
 
 さらに未咲の元旦那も登場してミステリアスな内容になっていきます。物語が終わる頃にようやく全貌で判ります。この展開も楽しく見ることが出来ると思います。
 
 出演者が凄いです。岩井監督ならばと多くの俳優が参加されたのでしょうか。まずは岩井作品に馴染み深い松たか子さんから始まり、広瀬すずさん、神木隆之介さん、森七菜さん、庵野秀明さん、福山雅治さん、豊川悦司さんなどです。
 
 興味深いところでは、小室等さん、さとう宗幸さん、水越けいこさんや中山美穂さんなど、とても懐かしい顔ぶれも登場します。豪華俳優陣だけでも満足感で胸一杯になります。ワンカット登場の矢部太郎さんもお見逃しなく。
 
 中年以上の恋は昔も今も手紙だというのも頷けます。相手の時間を束縛することなく、都合の良いタイミングで送るのも哀愁があります。また届くまでの時間も色々と妄想を巡らして(苦笑)楽しめるのも風情があります。
 
 タイトルの『ラストレター』は、誰が誰に贈るものでしょうか?これもちょっとひねってあります。
 

ポイント

笑える度   ★★★
ファイト度  ☆☆☆
ほのぼの度  ★★★★
スッキリ度  ☆☆☆
感動度    ★★★★