作品名
「モダン・タイムス」 ‘36年度作品
監督
チャールズ・チャップリン
出演
- チャールズ・チャップリン
- ポーレット・ゴダード
あらすじ
チャーリー(チャールズ・チャップリン)は工場で働く労働者だ。コンベアで流れてくる部品を遅れずネジ止めするのが仕事だ。少しでも遅れれば自分だけでなく、共に働く仲間たちにもそのしわ寄せがいく。
毎日その作業の繰り返しで、時には経営者からさらなるスピードアップを求められる。とうとうチャーリーはおかしくなった。ネジに見えるもの全てを締め付けないと気が済まなくなっていた。
彼は病院に入れられ、職を失った。退院した彼を待っていたのは不況の世の中であった。各地でストライキが発生し、ちょっとした間違いからチャーリーは共産党のリーダーとして拘置所に入れられてしまった。
拘置所でひょんなことから脱獄犯を捕まえたチャーリーは、無罪放免されることになった。だが復帰した現世は相変わらず不況に喘いでいた。チャーリーには住みづらい世の中であった。
拘置所の方が易いと思ったチャーリーは、偶然出会ったパンを盗む少女(ポーレット・ゴダード)の身代わりとして捕まることに成功した。だがチャーリーは無実だという有難迷惑な証言で解放されてしまった。半ばヤケクソで無銭飲食をして再度捕まることに成功した。
輸送車の中で再会したのはパンを盗んだ少女だった。輸送事故を利用して二人はまんまと逃げることに成功した。
今まで孤独だった二人は、あっと言う間に意気投合した。
お勧めポイント
人間は機械じゃない
久しぶりに見るチャップリンは、やっぱりチャップリンでした。有名な歯車に挟まれるシーンは、ほんの一場面にしか過ぎませんでした。突然登場した少女とはどんな絡みがあるのかと思っていたら、偶然の出会いから結ばれていきます。私は少女が登場してからのシーン(ストーリー)が好きですね
。
デパートの警備員になったチャップリンが各フロアで繰り広げる騒動が楽しいです。特にローラースケートに乗って走り回るシーンはすごいです。プロ級のスケートには驚きます。一歩間違えば大けがを予想させるシーンなのに、常に笑えてしまうのはチャプリンの成せる技でしょう。
あと何度でも見たくなるのがチャーリーが酒場で唄うシーンです。トーキーの代名詞のようなチャーリーが有名な「ティティナ」を歌うのです。ここで見せるブレイクダンスのようなダンスも最高です。そして何と唄っているのか、あれは何語なのか、ついついググりたくなるチャップリン・ワールド全開です!
何といっても実際に夫婦だったことがあるチャーリーとポーレット・ゴダードの息の合った演技が素晴らしいです。貧しいながらも幸せに暮らす二人が微笑ましい限りです。
目標もなく住みづらい世の中だとしか思っていなかった二人が、出会い、意気投合し、この人とならどんな仕事も辛く感じない。これこそ人生です。人として生きる醍醐味はこれ以外にあり得ないと私は思います。
知れば知るほど、社会風刺が随所に描かれているのもチャップリンの本分です。
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★★


