作品名
「田沼旅館の奇跡」 ‘15年度作品
監督
井出 比左士
出演
- 夏菜
あらすじ
田沼旅館は創業100年を迎える老舗旅館だ。だが客足は遠のく一方だった。起死回生を狙った座敷わらしの動画投稿も、怖すぎとの理由で逆効果になってしまった。
いよいよ廃業を決意し、ゴールデンウィークだというのに格安で提供することにした。六部屋のうち、五部屋がうまる盛況ぶりではあったが、格安ということもあって、焼け石に水という感じだった。
泊まり客は訳ありの人ばかりであった。唯一、ナオ(夏菜)だけは座敷わらしを記事にしてくれた贔屓客といえる存在だ。でもナオもこれが最後だと意味深のことをつぶやいた。
何か売りがあればと考えたナオは、必死に旅館中を探し回った。
泊まり客の夫婦は、どうやら離婚を決意したようだ。知り合ったきっかけが卓球サークルということもあって、旅館につきものの卓球台で楽しむことにした。
これが奇跡の始まりになるとは、誰も予想していなかった。
お勧めポイント
みんな奇跡を探している
人生に絶望した人々がこの旅館に集まっていました。みんなこれからを真剣に考えてしまった人々です。途中で支配人が言うセリフが印象に残りました。みんな頑張ろうと努力したけれど、その努力が報われずに惨めな思いをしてしまった人々です。
でもちょっとしたことで、もう一度頑張ってみようと振るい立つものです。軽く背中を押してくれる出来事に出会えればと、無意識に願っているものです。この物語に出てくる人は皆んなそうです。この作品ぐらい登場人物が抱えている問題がセリフに盛り込まれているものはないと思いました。
この物語では卓球のラリーを続けるカップルが話題の中心に描かれています(笑)どうしてもラリーを止められない理由が出来て、周りの客や関係者が必死にそれを援護します。その援護が笑えるものが多く、ドンドン、物語に引き込まれてしまいます。いずれもそんなバカなと思うものですが、それが面白すぎて引き込まれてしまいました。
幸せを呼ぶ座敷わらしはどこにいるのでしょうか。案外、あなたの身近にいるのかもしれません。それに気づいていない人が多いのでしょう。自分の座敷わらしに気付いた支配人が、全世界に訴えるセリフが涙します。
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★★

