配信

No.597 幕が上がる

作品名

「幕が上がる」 ‘15年度作品

監督

本広 克行

出演

  • 百田 夏菜子
  • 玉井 詩織
  • 有安 杏果
  • 黒木 華

あらすじ

 富士ヶ丘高校演劇部は、演劇甲子園の地区予選敗退が決まった。そして次の部長に、新3年生のさおり(百田 夏菜子)が選ばれた。特に実績もないさおりだが、誰がやっても一緒との理由から彼女に決まった。
 
 部長はリーダーであり、年1回の全国大会へ向けての脚本も作らなければならない。何をどうしたら良いか苦悩していたさおりの前に、新任の吉岡先生(黒木 華)が現れた。吉岡先生はかつて、「演劇の女王」と言われていたのをネットで知った。さおりは吉岡先生にコーチを嘆願した。
 
 富士ヶ丘高校に転校生がやってきた。中西(有安 杏果)は名門校で演劇をやっていた。ゆかりは中西を演劇部に誘った。どこか影のある中西だったが、ゆかりの誘いに入部を決めた。
 
 富士ヶ丘高校演劇部にはお姫様と呼ばれるユッコ(玉井 詩織)がいた。彼女が舞台に立つだけで華になった。当然、演じる役はヒロインばかりだ。
 
 役者は揃った。吉岡先生の厳しい指導は演技のみでなく、さおりの脚本にも及んだ。脚本に迷っていたさおりに、中西が素晴らしいアイデアをくれた。最初は苦痛でしかなかった脚本が、徐々に楽しい作業に変わっていった。

お勧めポイント

 舞台の上なら、どこまでも行ける
 
 ももいろクローバーZ主演の青春物語です。彼女たちが等身大の役柄を演じ、観る者たちに爽やかな感動を運んでくれます。
 
 主人公のさおりは、突如主将に押し上げられます。本人が納得していない中、部員たちは既成事実を積み上げていきます。それでしぶしぶ引き受けるのですが、どうすれば良いのか何も判りません。相談できるはずの顧問も、それを考えるのが主将の役割だと突き放します。
 
 そんなさおりを救ってくれたのが、吉岡先生であり、友達、家族です。
 「何をしたらいい、どこに居ればいい、不安な気持ちでいっぱい」
 自分の居場所が無いように思えたけれど、一歩進んでみたら、こんな素晴らしい居場所が出来た。何事も最初はこんなものでしょうか?最初から自分が思い描いた世界に入れる人はひと握りで、今いる場所でもがき苦しんだら、いつのまにか自分の居場所だったと感じるようになるのでしょう。
 
 誰かと出会うことで新しい旅立ちがあります。良い場合もあれば、悪い場合もあります。でもその出会いこそが、後で考えたら自分の岐路だったと判ることも多いと思います。何の前触れもなく、ご縁としか言いようがない、突然の出会いです。
 
 ラストで演劇部の親族が観劇に集まるのですが、これが超豪華俳優の大集合です。ほとんどの人が誰かはお分かりになるでしょう。照明が落とされた中、黒すぎるお顔に、はっきり誰かと特定できませんが、キラリと光る白い歯で、この人しかいないと確信できる俳優さんも登場します。
 
 エンディングの曲で彼女たちの素顔が見れます。物語では深刻な顔ばかりだった(一部の出演者は違ってます)ように思えたのが、一転してハシャギ回っています。アップテンポな曲がよく似合っています。
 
 何かを必死に取り組んでいる姿は、いつの時代も共感できます。そして元気をいただけます。

ポイント

笑える度   ★★★
ファイト度  ☆☆☆☆
ほのぼの度  ★★★★★
スッキリ度  ☆☆☆
感動度    ★★