作品名
「at Home」 ‘14年度作品
監督
蝶野 博
出演
- 竹野内 豊
- 松雪 泰子
あらすじ
森山和彦(竹野内 豊)は妻、皐月(松雪 泰子)と2男1女に恵まれた5人家族だ。一家はとても仲が良く、幸せな毎日を過ごしていた。
今日も和彦は仕事に出かけた。今日の戦利品は幾許かの金銭と掛け軸だった。金以外は足がつく可能性が高いからと長男は露骨に嫌がった。
そう、森山一家の収入は盗みや詐欺で成り立っていた。
長男は証明書の偽造などを修行中で、最近は小銭を稼げるようになってきた。
皐月は結婚詐欺をしていて、金持ち男性から巧みに金銭を巻き上げていた。今日も長女がネットで探した男にアプローチ中だ。
一家にとっては幸せな日々が永遠に続くかと思われた。だが皐月が詐欺師であることに気付いた男性から拉致されてしまった。
さらに身代金まで連絡してきたから、和彦は対応に困った。身代金を払うぐらいなら皐月との縁を切ってしまおうとも考えた。しかし子供たちは猛反発した。
本当の家族のように過ごしてきたのだから、このまま続けたいと。
お勧めポイント
俺が盗んできた家族は、誰にも奪わせない。
幸せそうにテーブルを囲む家族の姿が映し出されて物語は始まります。でも少しすると本当の家族ではないことを知ります。さらにお母さんである松雪泰子さんが拉致されて暴行を受けるシーンはちょっとショッキングです。
ハードボイルドな作品かと思いましたが、そこからヒューマンドラマが始まっていきます。どうしてこの人たちが家族になったのかが描かれていきます。
森山一家の人々はみんな本当の家族から酷い扱いを受け、自分の居場所を無くしてしまっています。行き場所もなく自殺さえも考えている処で巡り合うのです。
”親を選ぶことはできない”と言われますが、森山家の人々は偶然の巡りあわせで第二の家族になったのです。このシーンで胸がジーンときます。この世で唯一の居場所を、自分が輝ける場所を見つけたのですから必死に守ろうとするのも当然です。とくに松雪泰子さんと長女が出会うシーンは涙がでます。
ラストで涙が止まらないのも毎度のことです。これ以外のラストは考えられないと思えるエンディングです。
主演の竹野内豊さんや松雪泰子さんはもちろんのこと、その子供役で出演する坂口健太郎さん、黒島結菜さん、池田優斗さんの演技が光っています。
家族愛とは何か、この物語の途中に登場するような家庭が多い中、森山一家には拍手を贈りたいです。
ポイント
笑える度 ★★
ファイト度 ☆☆☆
ほのぼの度 ★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★★


