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No.562 ももへの手紙

作品名

「ももへの手紙」 ‘12年度作品

監督

沖浦 啓之

出演

  • 美山 加恋
  • 優香
  • 西田 敏行
  • 山寺 宏一
  • チョー

あらすじ

 小学6年生の宮浦もも(美山加恋)は母のいく子(優香)と母の生まれ育っ
た汐島へと移り住んだ。父親が事故で急死したからだ。
 
 ももは元来内気な子だったが、父親と喧嘩したままになったことを後悔し
ていた。仕事人間の父親はももや母との大切な約束を反故したからだ。でも
そんなことは大したことではなかったと今になって思っていた。
 
 さらにももが気にしたのは、便箋に父親からのメッセージが残されていた
からだ。そのメッセージは「ももへ」とだけ書かれてあった。ももがそうで
あるように父親も不器用だった。おそらくどう書けば良いかと思案した挙句
、それ以上書けなかったのだろう。
 
 ももはメッセージの続きを知りたいが、最早それを知る方法はない。
 
 翌日、ももは家の中で得体の知れない生き物に遭遇した。それは妖怪の類
でマメ(チョー)、カワ(山寺宏一)、イワ(西田敏行)の3匹だった。
 
 恐ろしさが先行したが、勇気を出して接してみると、それほど凶暴で魔力
をもった妖怪でもないことが判った。実は彼らはある任務を受けてももの家
に住みついたのだ。
 
 

お勧めポイント

 『お互いの足りない処を補って』
 主人公と妖怪たちの織りなすヒューマンアニメです。
 
 笑ってしまうのが妖怪が「決して怪しい者ではござらぬ」と言いますが、
どう見ても怪しいとしか思えません(笑)私も最初は怪しげな生き物だと思
っていましたが、その言動を見るうちに親近感をもてるようになりました。
最後まで観ると、途中のセリフにも実は意味深なことを言っていた誠実な生
き物だったと判ります。
 同様に妖怪たちにも、ももの誠実さが伝わっていきます。
 
 猪の子ウリ坊たちを食べようと捕獲した妖怪たちと猪との争いシーンは本
当に笑えます。どちらも必死ですが、猪の親の方が我が子を捕られたのです
から、必死さは上だと言えます。でも妖怪たちの必殺のワザも笑えます。こ
ちらも腹を減らして必死なのですね(笑)
 
 妖怪たちの儀式の踊りも笑えます。こんなもので大丈夫かと思いましたが
、その成果は物語で確かめてください。
 
 他の妖怪作品などでもよくある設定ですが、妖怪を見えるのは子供だけな
のです。それも純真な心をもつ子供だけのようです。だから妖怪たちのやる
ことは他の動物やもも、あるいは暑さのせいにされるのです。
 
 主人公も母親も一生懸命生きています。でも独りで何もかもやろうと頑張
り過ぎていたと気づかされます。それは私たちにも言えることでしょう。
 もっと他人に甘えても良いのでしょう。
 川へ飛び込む勇気がないももを飛び込ませてくれるのは誰でしょうか?
 
 真夏と妖怪というこの時期にピッタリの、心はほんわかと温まる本作を
 どうぞみんなで楽しんでください。

ポイント

笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★