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No.570 巴里のアメリカ人

作品名

「巴里のアメリカ人」 ‘51年度作品

監督

ヴィンセント・ミネリ

出演

  • ジーン・ケリー
  • レスリー・キャロン

あらすじ

 アメリカ人でありながらパリに居ついたジェリー(ジーン・ケリー)の職
業は一応画家だ。しかしその日の昼食にも困る生活をしていたが、彼にとっ
てパリは友達も多く住みやすい場所だった。
 
 いつものように売れない絵を路上に並べていたが、一人のレディが彼の絵
を買うと言い出した。ミロという名のその女性は、あいにく持ち合わせがな
く、ジェリーは彼女が住んでいるホテルまで同行することになった。ジェリ
ーが驚いたのは彼女が運転手付きの車に乗ったからだ。
 
 部屋に着き代金をもらったジェリーはさっさと引き上げようとしたが、彼
女からパーティに誘われた。だがそれは口実だった。彼女はジェリーの絵の
才能に惚れてジェリーを売り出したいと切り出した。気を良くしたジェリー
は彼女を酒場に誘ったが、そこでキュートな女性に一目惚れして、ミロの相
手もせずにその女性へのアタックを始めた。当然ミロは怒って帰ってしまっ
た。
 
 ジュリーが一目惚れした女性はリズ(レスリー・キャロン)と言った。ジ
ェリーの猛アタックは翌日になっても収まらず、根負けしたリズはジェリー
とデートすることにした。しつこい男だと嫌っていたリズだがジェリーの一
途な思いに惹かれるようになった。だが、リズにはフィアンセがいた。
 
 

お勧めポイント

 恋と踊りに歌、それはメルヘン一色の物語
 
 『雨に唄えば』で有名なジーン・ケリー主演のミュージカルです。本作で
もジーン・ケリーのダンスと歌が全編満載です。
 
 昔の作品ってとてもシンプルで優しい人たちがたくさん登場します。特に
この作品はそれを強く感じました。物語後半にもジーン・ケリーのダンスシ
ーンが続きます(ここが大きな見せ場です)が、その後にあんなエンディン
グが待ち受けているとは思いませんでした。さきほど書いた言葉をきっと皆
さんも感じることでしょう。
 
 共演は本作が映画デビューになるレスリー・キャロンです。キュートとい
う言葉がぴったりの女優さんです。彼女も素晴らしい踊りを見せてくれます
。それもそのはず16歳からバレエを習っていて本作は20歳の時です。その才
能をジーン・ケリー自身が見込んで銀幕デビューさせたのです。
 
 笑えるのは主人公の友人でピアノマンが、自分のコンサートの妄想にふけ
るシーンです。この当時ではなかなか難しい技術を駆使した楽しいものです
。私も「ブラボー」と言いたくなりました。
 
 あんな寂し気なジーン・ケリーの顔は初めて見ました。さわやかな笑顔が
似合う人だけに、その表情にドキっとしました。
 
 本作はアカデミー賞6部門に輝きました。ジーン・ケリーのタップダンスが
随所で見られ、温かな音楽と共に幸せな気分になれる一作です。
 
 この週末はこの作品で心を温めてください。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★