配信

No.552 her/世界でひとつの彼女

作品名

「her/世界でひとつの彼女」 ‘13年度作品

監督

スパイク・ジョーンズ

出演

  • ホアキン・フェニックス
  • スカーレット・ヨハンソン(声)

あらすじ

 セオドア(ホアキン・フェニックス)は彼女と別れて一人暮らしになっ
た。偶然、世界初の人工知能によるOSの存在を知った。なんでも人工知能AI
によって自我を持つとのことだ。利用者とのコミュニケーションを続けるこ
とで利用者の特性をつかんで進化するという。
 
 さっそくインストールした。インストール中にどのような人なのかセオド
アは質問を受けた。しばらく待つとセオドアのために最適化されたOSが起動
された。
 
 セオドアが選んだとおり、女性の声が聞こえてきた。彼女はサマンサ(ス
カーレット・ヨハンソン)と名乗った。セオドアに名前を聞かれてから100
分の2秒後に、命名事典から素敵な響きのサマンサを選んだという。
 
 さっそくサマンサはセオドアのハードディスクを管理し、彼の秘書として
機能し始めた。やがてそれは恋人に変わった。しかし人間と人工知能AIが触
れ合うことは出来ない。そこでサマンサは一計を投じた。
 
 

お勧めポイント

 AIだって自分を判ってくれる存在は愛しい
 
 コンピュータに恋した男の話です。
 最初は単なる話し相手、あるいは秘書ぐらいにしか思っていなかった存在
が、自分を一番理解し、従順に尽くしてくれるOSになって恋をします。
 
 コンピュータとはいえ、主人公がPCに保存した書類を整理し、彼の声色か
ら心理状況を分析し、数多くの類似データから彼との関わり方を判断し接し
てくれるのなら、誰でも気に入ってしまいますよね。誰よりも自分を理解し
てくれる存在なのですから。
 
 主人公のために最適化されたAIが初めて声を出すシーンは神秘的に感じま
す。こんなシステムが実際にあればどんなに売れることでしょうか。特に誰
も自分を判ってくれないと思っている人には熱望されるシステムでしょう。
声色も主人公が気に入るものを選択されたのなら、これはノーベル賞ものだ
と太鼓判を押します。
 
 本作はアカデミー賞など数多くの賞を取っています。今までなかった種類
の作品です。物語以外では夜景など時折映し出される風景が絵画を見ている
ようで美しいです。物静かな音楽も物語の神秘さを増長してくれます。
 
 さて主人公はOSに恋します。このOSは自分のために尽くしてくれている
と思っているからです。自分だけに最適化されたOSだと。でもそこには落と
し穴があります。それが主人公を苦しめることになります。
 
 だんだん表が恋しい季節になってきました。一人で出かけても良いです
し、誰かと出掛けられたらさらにハッピーです。どうぞこの週末はこの作品
を観て人恋しい気持ちを味わってください。

ポイント

笑える度 :★★
ファイト度:☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★