No.731 やさしい本泥棒
「やさしい本泥棒」 ‘13年度作品
ブライアン・パーシバル
1938年のドイツで共産主義者の母親とその子供は、ナチスによる赤狩りから逃げ回っていた。母親は子供たちを里子に出すことを決めたが、その途中で弟は死んでしまった。
残された姉のリーゼル(ソフィー・ネリッセ)は、新しい両親の住むミュンヘン近郊へと送り届けられた。迎えたのはやさしい父親ハンス(ジェフリー・ラッシュ)と、雷のように騒ぎ立てる母親のローザ(エミリー・ワトソン)だ。
ハンスはリーゼルが本を隠しているのに気づいた。「墓掘り人の手引き」という風変わりな本だ。弟ヴェルナーの形見だと言うが、その本の名前さえ、リーゼルは分からなかった。読み書きが出来ないからだ。やさしいハンスは、字の読み書きできるように成りたいというリーゼルに、その本を読めるように教えるのだった。
近所にはルディという金髪の同年代の男の子が住んでいて、リーゼルと親友になった。
ドイツはナチスにより戦争に突入し、市民たちの自由を奪い始めた。その一つに、リーゼルが大好きな読書を禁止し、本を燃やすように推進した。
タイトルの”やさしい”という言葉と、ポスターの少女に勘違いさせられました。心温まるハートフルドラマかと思っていたら、ドイツ戦時中を描いたヒューマンドラマです。たしかにポスターの少女は何かを言いたげな悲しい眼差しでした。
父親役に「英国王のスピーチ」を思い出すジェフリー・ラッシュさんが演じているところからも、どのような物語なのか連想できると思います。雷のような母親役には「奇跡の海」のエミリー・ワトソンさんですが、厳格な母親と見せかけて、父親にも負けないほどのやさしい人だと分かり、彼女の演技力にも共感します。
冒頭でナレーションが入りますが、このナレーションは誰なのか名乗りません。もっともその内容から大体の察しがつきますが、本人が言うように、物語の後半にナレーションを再開します。この辺りから涙が止まらなくなります。
この物語は2014年に劇場公開されるはずが延期になり、ソフトのみの提供になりました。(参考:WikiPedia https://ja.wikipedia.org/wiki/やさしい本泥棒)なのでご覧になられていない人も多いかなと思います。
原作はフィクションだということですが、現実とはこのようなものだろう。冒頭で書いたハートフルドラマなど、実際にはあり得ないと思う。でもこの物語のほうが、『人生って、こんなものだろう』と納得できた。ナレーションが言うことも同意できる。少なくとも今の私は、この少女よりも幾分幸せであることを感謝したい。
笑える度 ★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★
スッキリ度 ☆☆
感動度 ★★★★
